発電・送電電力の地域独占

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 何故、これまで電力は各地域において、一社が独占して供給・送電してきたのでしょうか? なぜ電力会社を自由に選べないものかと、疑問に思ったことはないでしょうか?

 上記の例で挙げた、特定地域内での電力を一社が独占して供給しているような状態を、地域独占と言います。元々、地域独占という言葉は、ある地理的範囲内において売り手もしくは買い手が独占している状態であることを示す、一般的な用語です。現在の日本においてその代表的な例としましては、電気事業やガス事業などが挙げられます。

 これらの事業に共通して言えるのは、公共性が高いと考えられる事業である、ということなのです。

 ここから先では、電力の場合について述べて参ります。

 元々日本における電力の供給事業は、明治時代から興ったものですが、当初は数百社が乱立していました。それが5社による寡占状態になってそれぞれが競争するに至ったのですが、戦時中の経済体制の下に解散させられ、国策会社「日本発送電」が一手に担うことになりました。

 戦後、それが解散させられ沖縄を除く9地域のそれぞれに再編され、1951年に発電・配電が一体となった形で各電力会社が発足しました。では、何故通常の民間企業としてではなく、このような形で再編されたのでしょうか?

 その理由は、電気を供給するに当たっては、電圧が不安定になったり、最悪の場合には設備が壊れるのを防ぐために、ある瞬間の発電量と使用量とを一致させる必要があったからなのです。ただ、この当時の技術だけでは地域間の格差をなくしたり、電力供給の安定性を図ることができませんでした。

 何しろ、コンピューターによる発電量・送電量の制御も、複数にまたがる発電所での供給量や大都市・大型の工場における需要を一度に把握するための通信手段も、無かった時代の事だったのですから。そのために必要となった体制が、電力供給・送電の地域独占という体制なのです。

 それだけではありません。当時、電力会社が限られた理由としましては、発電の技術それ自体や電力の需要といった問題が横たわっていたのです。以前は安いコストで発電するためには、大きな発電所や、燃料供給の仕組みを構築する必要があり、そうしてできた発電能力に応じた需要を確保しなければならなかった、という事情もありました。

 しかし、今や時代は変わりました。近年の通信やコンピューター技術の大幅な発展によって、一箇所で電気の需要と供給をリアルタイムに監視できるようになり、遠隔地からも発電・送電の状況を把握できるようになっています。様々な事業者が送電線に電気を送っても、監視できるシステムが整ってきているのです。地域独占体制が崩れ始めている事には、こういった技術的な変化が背景としてあるのです。

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