発送電分離

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電力の発送電分離とは、現在、発電・送配電・小売が同一の電力会社によって行われているのを、発電部門と送配電部門を切り離す事を言います。
アンバンドリングという用語もあります。これは元は「束ねられた物をバラバラにする」という意味で、発電・送配電・小売に至る一貫した(垂直統合型)体制を発電・送電・配電・小売といった構成要素の部門毎等に切り離してしまう事を言います。

分離方法としては、概ね以下の物があります。

□発電部門と送配電部門の会計を別々に行う「会計分離」。
□送電網の所有権は電力会社に残し、送電網の運用管理を行う為の別組織を置く「機能分離」。
□送配電部門を子会社化、または持ち株会社によるグループ会社化して、電力会社が保有する「法的分離」(フ
ランス、ドイツ、米国東北部13州、ワシントンDC等で導入されています)。
□送電網の所有権を資本関係の無い別会社に譲渡し、発電・小売部門と送配電部門を完全に分離する「所有権分離」(英国、北欧四ヶ国、イタリア、スペイン等で導入されています)。

発送電分離の発送には、電気料金の算出方法である総括原価方式が関わっています。

総括原価方式とは、電力会社が電気の供給に必要な費用(営業費=発電から販売に掛かる電気事業の運営に必要な費用。この中には設備も含まれます)を事前に見積もり、更に一定の利潤(事業報酬=電気事業の運営に必要な資産に報酬率をかけたもの)を上乗せし、電気料金収入以外の収入を引いて電気料金を算出する方式を言います。

この総括原価方式の「電気の供給に必要な費用」が高額になると、それだけ電気料金が高額になり、従って発電並びに配送電設備を保有する電力会社の利益が上がる、と言われます。なので発電部門と送配電部門を分離し、発電部門に新規事業者の参入を促せば自由競争が生まれ、価格低下が期待出来るというわけです。

確かに発送電分離して送電網を開放すれば、昨今注目されている無公害の自然・再生可能エネルギーの発電業者が参入し易くなり、その普及が進むでしょう。それは私達の環境にとっても喜ばしい事です。
しかしながら、電気を生産する電力事業は公益性の高い事業です。それに対して安易に自由競争を導入すれば、安定供給という意味で不安が発生します。価格競争に勝つ為、設備の安全性が蔑ろにされるかも知れません。

大掛かりな設備が必要とされる事業だけに「試験環境を造って試験運用して、その結果を見て考えよう」等と言えない所に難しさがあります。

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