発送電一体

Pocket

 発送電一体とは、発電と送電、配電を一挙に引き受けている状態のことを指します。これは、現在の日本全国の各地域における電力会社がまさに発送電一体を担っている状況のことでもあります。
 現在は発送電分離の流れが出来ていて、電気の個別販売(新電力)に向けて着々と進んでいますが、それまでは大手電力会社による「独占状態」が当然のように続いていました。
 
 
 発電・送電・配電を一手に担うことで、安心安全な電気を供給できる。と、電力会社は発送電一体の状態を堅持し続けてきました。電気は、貯蔵が出来ず、消費量に発電量を常に一致させておかなければならない必要性があるからです。また、発電所で作られた電気は、送電線や配電線を通って消費者へ届けられているので、発電所と送電線は長期的視点に立って一体的に設備形成を行う必要があります。
 このような事情から、現在は一般電気事業者(東京電力など)が発電所と共に送配電の一体的な整備・運用を担っているのです。
 
 
 しかし、問題点もあります。
 発電と送電が完全に一体化した日本の制度とは、ある自動車会社が道路まで所有して他社車の乗り入れを制限したりとか、特定の航空会社が空港まで所有したりとか、そういうようなものです。
 一部分的にとはいえ、電力市場を自由化して15年も経っているにもかかわらず、日本では自由な競争が起こっていません。それは発電と送電が分離されていないからです。
 需要家は選択肢を与えられてないので、他の一般的な商品では当然のようになっている「自由な消費行動」が取れなくなっているのです。
 
 
 そのような電力事業に対して、発送電一体の切り崩しを図る運動もあって 、東京電力は家庭まで含めた自由化までは受け入れを表明したのですが、東京電力の南直哉社長(02年4月当時)は「責任ある発送電一体のシステムが日本において役割を果たしている」と、発送電分離を拒否する姿勢は崩しませんでした。
 電力業界は、自由化が進んだアメリカのカリフォルニア州で01年に起きた大停電の例を引き合いに出し、電力の「安定供給」には発送電一体が必要だとPRにやっきになっていたのです、
 
 
 ですが、今年の3月に、2020年に、発送伝分離をする電気事業法改正案が閣議決定されました。電力の自由化によって、発送電一体だった日本の電力事業のパワーバランスは崩れ、電気のサービス競争が始まることでしょう。消費者としては嬉しい話です。

新電力をお探しなら新電力.com