海外の電力情勢から予測!日本の電力はどうなる?

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海外の電力情勢から予測!日本の電力はどうなる? 2016年に完全電力自由化が成されることは、既に発表されています。その前段階として、2000年から特別高圧電力ならびに高圧電力で契約している、事業所などの電力が自由化されておりまして、そこでは電気代の削減に成功した事例が幾つもある事は周知の通りかと思います。
 しかし、完全自由化後が成された暁には、果たして安定供給かつ安価な電力が手に入る薔薇色の未来が待っているのでしょうか?
 以下の文章におきましては、海外の事例の幾つかをに目を向けつつ、将来的には新電力にどんな可能性があるのかを検証してまいりましょう。

イギリス

 1999年に、いち早く電力供給の完全自由化を果たしたイギリスでは、買い物のついでに電気の契約をして、スーパーのクーポン券を貰うということが当たり前の光景として見受けられます。また、年間に1割の人が契約電気会社を変更するとの事でもあります。それはさながら、日本で言えばまるで新聞の購読契約みたいなものだとの事です。つまり、それだけ気軽に電力会社を乗り換えることができる、ということなのです。
 更に書きますと、各社が自由に付帯した諸々のサービスを比較して、自身の生活や考え方にマッチしたプランを比較した上にて選ぶことのできるWebサービスも存在しています。このような比較・選択を行うことにより、イギリスでは電力自由化前の時代に比べて、日本円にして年間3~5万ほど安く電気やガスを購入できています。事実、イギリスの消費者が電気やガスを他者に乗り換える理由としましては、実に75パーセントの人たちが「値段が安くなるから」というのを理由として挙げています。
 また、一時イギリスではあまりにもプランが複雑すぎる事になっていたのですが、2014年4月中旬にイギリス政府規制当局が”Be an energy shopper.”(エネルギーを選んで買う人になろう)というキャンペーンを打ち出し、それまで4000以上もあった複雑な料金プランが全部で100程度にまとまったのです。これにより、ショッピング感覚で料金プランを乗り換えることが期待されています。
 このようなイギリスの電力市場は『開かれた市場』のお手本と言ってもいいでしょう。

ドイツ

 ドイツの場合、1998年に完全自由化を果たしているのですが、あまりにも多くの電力会社が乱立し、また最適なプランを弾き出すためのWebサイトもまた雨後のタケノコのごとく出現してまいりました。しかし、それらのサイトも中立性が失われており、結局消費者は新電力から離れて旧来のシュタットベルケと呼ばれる地域ごとの電力会社を元とする大企業へと回帰しております。
 その理由としましては、倒産をはじめとした度重なる新電力の不祥事と、中立の立場を貫いていない比較サイトの現状にあると言えます。
 これは、残念ながら電力完全自由化の、失敗例であると言っても差し支えないでしょう。

フランス、イタリア

 フランス、イタリア両国とも2007年に、それぞれ電力の完全自由化を果たしています。しかしながら、名目上は完全自由化しているとは言えども、電力供給に限って言えば、両国共に旧国営企業のシェアが圧倒的なのが特徴でして、新電力が浸透しているとはまだ言い難い状況にあります。
 その理由としましては、フランスでは電力比較サイトでのスイッチングが容易ではないこと、イタリアでは民間の比較サイトの公平性が問題となっていることに加えて、公営のサイトでは公平性・中立性はあるもののお役所仕事である事が問題となっている、といった事情がそれぞれに存在しています。

水戸電力の設立───地産地消を目指して

 それでは、今度は日本国内に目を転じてみますと、電力供給の完全自由化を見据えた新電力各社の動きは既に始まっています。その中でも今回は、2015年4月に設立された水戸電力株式会社の事例を見てみましょう。
 水戸電力は、茨城県水戸市に本社を置く新電力(特定規模電気事業者)である株式会社スマートテックと、J2リーグのサッカーチームである株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホックが株主となって設立した会社で、地産地消型の電力供給を行っていくとの事です。また、太陽光発電、風力発電、水力発電、バイオマスなどの、再生可能エネルギーによる発電所の設置や、工場の誘致などにより、地元の雇用を促進していく狙いもあります(図参照)。

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図:水戸電力における地産地消型電力のモデル(出典:スマートテック)

 なお、バイオマス発電に用いる燃料としましては、間伐材を予定しておりまして、これもまた地元で調達するとのことです。
 この事例が成功裏に進んだとしましたら、首都圏に一極集中している現状を打破して、地方の活性化へと繋がっていくのではないでしょうか? ともあれ、今後の事業展開を固唾を呑んで見守って行きたいところです。

 日本でも、電力の完全自由化まであと一年を切りました。そういった状況の中で、自由競争が起きることに伴う良いところはどんどん取り入れていき、弊害は反面教師としていったとしたならば、日本の電力供給は今よりも更に安定し、かつ安価なものとなるのではないでしょうか? 完全自由化に伴い、家庭にまで安価な新電力が浸透した後に期待したいところです。

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