海外の電力事情~ヨーロッパ~

Pocket

海外の自由化ってどんな動きなの?

africa-15428_640日本は先進国ですが、電力に関していえば、欧米諸国に遅れを取っています。
既に、諸外国では電力の小売が自由化され、自在に購入できるようになっているのです。

わが国では、電力自由化といってもあまりピンとこないのが、正直な印象。
しかし、最近巷では『新電力』という言葉が飛び交っています。
実は、日本でも既に――2000年度――電力の自由化は始まっています。

但し、一般家庭が対象ではありません。大口の需要家。つまり、工場などです。

今回は電力の先進国であるヨーロッパではどのようなことになっているのか?
そちらを徹底解剖。早速見ていきましょう~!!

電力の自由化を簡単に説明しましょう。
通常は各地域にある一般電気事業者(東京電力・関西電力)などから電気を購入しています。
このような1社独占状態であると、料金の値下がりはありませんし、新しいサービスが生まれません。

摩擦が起こらないことで、サービスの質も料金の再構築も起こらないのです。
そこで新たな風を生み出すことで、業界に変化を与えようと考える仕組みが電力の自由化です。

ヨーロッパの諸外国では20世紀末から自由化が始まっており、
既にある程度の結果を残している模様。
もちろん、メリットもあれば、問題になっているケースもあるようです。

さて、ヨーロッパといっても広いですからここでは【ドイツ】【イタリア】【フランス】の3カ国を見ていきます。

ドイツの場合どうなっているの?

ドイツでは1998年から電力の自由化が始まっています。
結構早いですね。
しかし、ドイツの自由化は確実に成功したとは言いがたいようです。

4,000万世帯、市場規模としては4.5兆円もの市場開放でした。
そんなドイツ。既に自由化から20年。一体どのようなことになっているのでしょうか?

ドイツの電気事業は非常に歴史が古いです。
よって、かつては日本と同じように、各地域ごとに電力の供給会社がありました。
そこで1998年より、電力の自由化が始まり、1万種類に及ぶ、電気料金のプランの展開。
また、100社以上の電力会社の選択肢があるのです。

これでは複雑すぎてもどこと契約するべきが迷ってしまいますね。
選択肢が多いということは、すべてがメリットになるわけではありません。
複雑な仕組みは利用者を混乱させ、信頼を喪失させます。

また、2006年にはドイツの送電事業者の人為的なミスで大規模な停電が起こっています。
これでは住民の信頼を得ることはできません。

電力事業に参入する会社も偏りがあり、日本のようにベンチャー企業が参入するケースはみられません。
一時期は通信分野から参入する企業もありましたが、
現在は倒産し、電力会社が多くのシェアを持っているのです。

イタリアの場合はどうなっているの?

2007年に電力の自由化が始まったのがイタリアです。
もうすぐ10年ということになりますが、一体現在はどのように変わったのでしょうか??

自由化以前、イタリアでは国営企業が電力業界を独占していました。
現在でもシェア率のお80%hENEL(エネル)という国営企業で、
自由化された後でも、1社独占の状態はあまり変わっていないのです。

これでは自由化する意味があまりありません。
電力事業に、多彩なジャンルの企業が参入しないかぎり、摩擦は生まれないのです。
その結果、電力の自由化がされ、ある程度時期が経ったというのに、
イタリア国民は電力の供給会社をまったく変えていない場合が多い模様。

統計的には5%の家庭が電気事業者を変更したようです。
つまり、あまり一般的には浸透していないということになります。
やはり、1社独占の状態が解決されない限り、自由化の恩恵を受けることは難しいみたいですね。

芸術の都、フランスはどうなっているの?

イタリア同様、フランスも2007年より電力の自由化が始まっています。
しかし、フランスもあまり成功しているとはいえない模様。

もともとフランスの電力はEDFという国営企業が独占していました。
この縮図は自由化後も変わっていません。
しかし、イタリアほど明確ではなく、160社程度ですが、地域限定で新しい電力会社が参入しているようです。

とは言うものの、2015年現在、マーケットのシェアを見る限り、国営会社の独占状態は変わっていません。
旧国営企業のEDFが89%のシェアを持ち、圧倒的となっています。
新規参入企業のシェア率は5%ととても低いことになっているのです。

これでは電力の自由化が浸透しません。
もともと、フランスは日本のように各地域を電力会社が分担して電力を配給するのではなく、
すべての地域を1社(EDF)が請け負っていたので、競合相手がいないのです。

つまり、電力の小売化を自由化しても、アリと恐竜のような仕組みであり、新規事業者には太刀打ちできません。
このような背景があり、自由化はあまり成功したとはいえないようです。

今回はヨーロッパの新電力事業を紹介しました。
既に自由化が始まってある程度の年月が経っていますが、それほど有益なことにはなっていないようです。
日本でもこのような結果を鑑みて、対策を立てる必要があるのかもしれません。

新電力をお探しなら新電力.com