新電力組織「広域機関」スタート

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三つの段階で進める電力システム改革

新電力組織「広域機関」スタート第一段階は2015年を目途に広域系統運用機関を設立して、国内の需給計画を策定し、これまでとは異なる広域送電線の整備計画を作成し、 需要と供給の広域的な運用、緊急時の需給調整などを行います。新規制組織へ移行にあたり、送配電部門への規制や市場取引の監視、ルールを整備し、緊急時の供給命令などの業務にあたります。

第二段階は2016年を目途に小売の全面自由化を行い、家庭などの小口部門でも、電力会社の選択や、自由な料金設定を可能にします。 (但し、料金規制の経過措置期間を設ける)。卸電力市場の活性化として、卸規制を撤廃し、発電の完全自由化を達成します。供給力確保の新しい仕組みを創設し、将来の供給力を取引する市場を創り、将来の電源不足に備えた電源入札制度などを設けます。

第三段階は2018年~2020年を目途をめどに、料金規制の撤廃して経過措置を終了。供給力確保義務を本格実施。リアルタイム市場を創設し送配電部門を法律的に分離し、発送電の完全分離が完了します。

新組織スタート

2015年5月現在、電力システム改革は第一段階にあると言えるでしょう。発電と送配電を分離するために、これまでは既存電力会社が保有していた、送配電設備を運営する組織、電力広域的運営推進機関が設立されました。略称は広域機関(こういききかん)またはOCCTO(オクト)。その設立目的は、電力会社から分離させた送配電設備の整備の推進により、日本国内で平常時・緊急時の需給調整機能を強化することにあります。具体的には需給計画・系統計画を取りまとめ、地域間の送電インフラの増強や、これまで既存電力会社で分けられていた区域をこえた全国規模のでの運用を行います。また、災害等による需給ひっ迫時においては、電力の供給を指示し、調整を行う事、また中立的に新規電源の接続の受付や情報の公開なども行います。すべての電気事業者(一般電気事業者・卸電気事業者・特定電気事業者など)が広域機関の会員となること義務付け、新組織がスタートしました。

広域機関の7種類の業務

電力システム改革の第1段階に向けて着々と準備が進んでいます。準備組織、広域的運営推進機関設立準備組合 は解散して、正式に新組織、電力広域的運営推進機関が設立しました。500社以上の電気事業者を会員に加えて、4月1日から7種類の業務を開始しました。広域機関が開始した業務は主なものは以下の7つになります。
1.電気事業者の供給計画のとりまとめ・評価
2.需給および系統の広域的な運用
3.需給ひっ迫等緊急時の措置
4.系統アクセス業務(接続検討の受付等)
5.統計情報の公表
6.系統の係るルール(送配電等業務指針)策定
7.長期的に供給力不足が見込まれる場合の供給力確保措置(電源入札等)

広域機関が新電力にもたらす公平性

最初の重要な業務は各事業者が提出する供給計画をとりまとめることです。供給計画は電気事業者が今後10年間に販売する電力量の見通しを国に報告するもので、全国と地域別の需給計画を立てるうえで基礎データとなります。
従来は電力会社(一般電気事業者)と卸電気事業者の合計12社だけが供給計画を国に届け出る義務を負っていましたが、2015年度からは新電力も届出が必要になり、広域機関が各事業者の供給計画をとりまとめて国に報告することになっています。2016年度になると電力会社と卸電気事業者も広域機関を通じて提出する方法に変わり、すべての事業者の供給計画を広域機関が一括して集約することになりました。
広域機関は電力会社に代わって送配電ネットワークの接続申込を、出力が1万kW以上の大規模な発電設備に限り2015年4月から受付を始めました。

広域機関が新電力にもたらす公平性

これまでの仕組みでは発電事業者にとっては電力会社の意向で接続を保留されてしまうことがあり、不公平感がありましたが、中立的な立場の広域機関が接続申込の業務を代行することで、電力会社に対して適正な処理を要求しやすい環境が出来ました。広域機関は全国各地に再生可能エネルギーを拡大する役割も担うことになるでしょう。
このほかに全国の需給状況を調整するうえで必要な業務がいくつかあります。地域間で電力を融通するための連系線の運用管理や、需給状況が悪化した時に事業者に対して改善指示を出す役割も重要になります。発電事業者には出力の増加、小売事業者には需要の抑制を指示する一方、送配電事業者には地域間の電力融通を要請することが出来ます。
2016年4月に小売の全面自由化が始まると、電力会社と卸電気事業者も一般の発電事業者や小売事業者と同じ立場になって広域機関の業務に対応することになっています。この時点で広域機関の業務内容は第2段階へ移行します。新電力の新規参入さらに拡大していくでしょう。

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