新電力シェア5%突破!加速する企業の電力切り替え

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ene-share 2000年から徐々に電力自由化それ自体は進められていっています。しかし、それが加速するきっかけとなったのは、
2011年3月の東日本大震災による、福島第一原子力発電所の事故でしょう。
 2016年の完全電力自由化を控え、官公庁においても新電力の導入を積極的に進めていく事例が、
今や少なからず存在しています。その中でもまずは、2014年に県内の143箇所の施設における電力調達の競争落札を行った、
高知県の事例を取り上げることにしましょう。

 実のところ高知県におきましては、今回の事例において取り上げる2014年の前年である、
2013年の10月にも二箇所の施設において競争入札を実施しておりました。しかしその時には、いずれも既存の電力会社である四国電力が落札しました。
と言いますのも、その当時はまだ落札の対象となる施設数があまりにも少なくて、応札したのが四国電力ともう一社しかなかったからなのです。
 その一方で四国電力は、火力発電等における発電コストの高騰から2013年9月に電気料金の値上げに踏み切り、
西日本にある電力会社の中でも企業向けの電気料金が割高になっていたという背景もありました。
高知県が新電力をも含めた競争落札に踏み切ったのには、そういう事情もあってのことなのです。

 さて、2014年の時点における電力調達の競争落札ではどうだったでしょうか? 
この時は四国電力を含めて計5社が入札に参加したのですが、その結果新電力3社(エネット、日本ロジテック協同組合、ミツウロコグリーンエネルギー)
が四国電力が提示した金額よりも低い金額を提示して落札したのです。

 もう少し具体的にその内訳をご説明しましょう。競争落札の対象となった高知県内143施設のうち、
従来から電力を供給してきた四国電力が落札したのは28施設に留まり、それらの落札価格は1億2070万円という結果に終わりました。
では、残りの施設についてはどうなったのでしょうか? 今からそのデータを提示しましょう。

 この時の競争落札で最も多くの施設について落札したのは日本ロジテック協同組合で、その施設数は44施設、
金額は合わせて1億3565万円でした。次いで施設数の多かったのがエネットでして、落札した施設の数は合計で38施設、
金額は計1億4701万円でした。エネットの場合、落札額の合計金額を見れば競争入札に参加した5社のうち最高額に達していました。
ミツウロコグリーンエネルギーもまた32施設について落札し、その合計落札金額は1億1581万円となりました。

 このとき四国電力は、不落に終わった1箇所を例外とした142施設について、5億4634万円という金額を提示していました。
しかし、新電力3社の分も合わせた実際の落札額は5億1920万円…つまり、高知県側にとってはその差額である2714万円を
削減できた事になります。逆に言いますと、四国電力側は落札できなかった114箇所の契約変更によって、
年間4億円以上の売り上げを失うこととなったのです。

 さて、既存の四国電力のシェアを奪う形で電力調達権を落札した新電力各社は、高知県内の学校や県庁舎などに
安定して電力を供給できているのでしょうか? 結論から申し上げますと、その答えは是です。
 元々、高知県は四国四県の中でも特に新電力の導入に対して積極的でした。しかし、2011年まで新電力各社が四国エリアに参入してこなかったため、やむなく既存の四国電力から電気を買うより他に選択の余地がなかったという背景もあります。

 次に、高知県と同じく四国電力の管轄内にある、愛媛県松山市の教育委員会における事例を見てみましょう。
松山市には29校の公立中学校がありまして、今回の記事にて取り上げますのはそれらの中学校で使う、電力供給者の競争落札についてのことです。
 四国電力が2013年7月から電気料金を値上げするとの発表を受けて、
松山市は同年2月に競争入札を行ったのですが、一回目の入札では四国電力のほかにエネットしか応札せず、
予定価格に見合わず不調に終わりました。

そこで松山市教育委員会は二回目の競争落札を行い、今度は前述の二社に加えて、
ミツウロコグリーンエネルギーと日本ロジテック協同組合を合わせた四社による競争入札となりました。
結果、落札したのは最低額を示した日本ロジテック協同組合でした。

 従来、松山市教育委員会は四国電力に年間約7600万円の電気料金を支払っておりました。
更に電気料金の値上げによって、総額で8500万円程度まで上昇することも想定されていました。
そこで競争入札に踏み切ったという次第なのです。

 仮に競争入札を行わずに四国電力の値上げ分が上乗せされていたとしたなら、
今回の日本ロジテック協同組合による落札価格と比べて1000万円以上も高い電気料金を支払う羽目になるところだったのです。
このデータを踏まえますと、競争入札によるコスト削減効果は極めて大きいものだと考えていいでしょう。

 四国電力は日本の電気事業者の中でも最も安定経営だと言われています。但しその背景には、
東日本大震災による福島第一原発の事故が起きるまで、愛媛県西部に位置する伊方原発が
「四国内の電力のうち4割を供給してきた」からだと言われています
(とは言え、実際の供給量は管轄内全体の2割程度だったというデータも存在します)。

 今後、電力自由化の波は四国内の官公庁や企業だけではなく、各家庭にも及ぶことでしょう。
完全電力自由化が成された時に、各家庭がどのような選択をするのか、固唾を呑んで見守って行きたいところです。

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