「やっぱり原発だな」という可能性は?

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nuclear-energy 2011年3月11日の、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故は、
今でも記憶に新しいところではないでしょうか? 

また、そうでなくても、その年以降の夏場や冬場には強く節電を意識して過ごしてきたのではないでしょうか?
 それだけに、かの事故から5年以上が経過した今もなお、原発に対して警戒心を抱いている消費者も少なくないと思います。
既存の電力会社が原発再稼動へと向けて動きを見せている中で、新電力各社は果たしてクリーンなイメージを保てるのでしょうか?
以下の文章では、その点について検証して参ります。

原子力発電に依存せざるを得ない一般電気事業者

 原子力発電所を持たない沖縄電力を除く既存の電力会社──一般電気事業者──にとって、
原発の存在はいわば、ある種の生命線だと言っても過言ではないでしょう。

2011年の3.11の震災前、日本の総発電量の30%を原子力で発電していました。
 現在は稼動していないので0%ですが、メンテナンスは継続しなければならず、
発電できない=お金にならないのに費用はかかる負債として電力会社の重荷となってしまっています。

その依存度は、各々の電気会社によって異なりますが、とりわけ関西電力をはじめとした三社は
原発への依存度が非常に大きく、それらの電力会社は震災による福島での原発事故に伴う原発稼動停止により、
2015年3月期連結決算が経常赤字へと転落しているのです。

 逆に言いますと、残る電力会社七社は同期においては経常黒字だったという事になるのですが、
これは既存の火力発電所の修繕見送りによるコスト削減などに救われている面がありまして、
「継続的に黒字に出来る状況ではない」(東京電力・広瀬直己社長)との事でもあります。

その根拠として挙げられますのは、原発停止の長期化ならびに原油価格に左右される燃料コストです。

 そういった状況が覆る可能性が、衆院選において自民党が圧勝した事により出てきました。
何か、と申しますと、原発再稼動の可能性です。

 2014年7月16日、九州電力川内原発1,2号機について、原子力規制委員会が「新たな規制基準を満たす」
とする審査結果をまとめました。更に同委員会は2015年5月20日に、今度は四国電力伊方原発3号機の安全対策に
事実上の「合格」を与えたのです。

こういった具合に次々と原発再稼動への動きが進んでいきますと、電力の価値が下がり、
設備投資費用が回収できなくなる恐れが出る一方で、2016年の完全電力自由化の際には、
原子力によって供給される電気を嫌い、新電力へと流れる一般消費者も少なからず現れるに違いありません。

新電力各社のジレンマ

 では、新電力各社はそれぞれの電力を如何にして賄っているのでしょうか?
 新電力各社における電力の供給方法は様々ですが、
現状においては新電力の発電能力は、国内全体の1%にしか過ぎません。

大半は「卸電力取引所」を利用しているのが現状なのです。しかもその「卸電力取引所」にまわされる電力量も、
国内の電力量全体から見ればほんの1%程度にしか過ぎないのです。

 ただ、新規に建造される予定の、火力で発電される電力量は原発13基分に相当する見込みです。
それらは鉄鋼会社や石油会社による、低コストの石炭・ガスによる火力発電です。

 但しこれは諸刃の剣でもありまして、LNG(天然ガス)、石炭、石油のいずれも100%近くを輸入に頼っており、
円安や産出国での政変が起きれば、たちまち価格が高騰するというリスクを抱えています。

また、火力発電の発電機は消耗品に等しいものでして、老朽化も早いのです。
 火力発電所の新規建造を阻む要素はそれだけではありません。先にも書きました原発再稼動による、
電力供給過多の可能性もその一つですし、更に政策として打ち出された
省エネ規制(CO2排出に関わる規制)に引っかかる危険性も孕んでいるのです。

 クリーンなエネルギーを既存の電力会社よりも安価に供給できなければ、
消費者にとっては新電力に乗り換える意味はなくなってしまう事でしょう。

 太陽光・風力など再生可能エネルギーによる「クリーン」な電力供給をしていくという建前と、
「原子力発電所の稼動が進めば、もっとやすく電力を調達できる」(エナリス)
といった具合に本音とがすれ違う、新電力も出てきているのが現状なのです。
これこそが一部の新電力会社を支配しているジレンマなのです。

新電力がクリーンなエネルギーを獲得するために───原発ゼロの電力を

 先にも書きましたとおり、消費者達は、新電力各社にクリーンなエネルギーを期待しています。
とりわけ原子力による発電に関しては、過敏と言えるくらいに敏感な方も少なくはありません。

 先述した政策とは相反するかもしれませんが、政府は2012年から「優先接続制度」として、
再生可能エネルギーを優先的に買い取ることを義務付けました。これによって再生可能エネルギー単体
での投資採算性が上昇して、その結果新電力の新規参入が増える結果となりました。

 更に書きますと、実のところ日本にはバイオマス、地熱発電等などといった、
安定した電力を継続的に供給できる、いまだ手付かずの純国産の再生可能エネルギーが豊富に存在しているのです。

現状ではそれぞれに克服すべき課題はあるものの、それらを有効活用していければ、
太陽光発電や風力発電などが現状では主体となっている新電力の電力供給は、高い水準で安定化していく事が期待できます。

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