新電力導入事例

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新電力とは

既存の大手電力会社(東京電力、関西電力など) ではない、比較的新しい電力会社が供給する電力を、新電力といいます。

かつて、電力の供給は、東京電力のような、地域ごとに国から許可された電力会社のみが行ってきましたが、2000年の改正電気事業法施行による電力自由化により、新規の事業者(新電力) も、電力を供給できるようになりました。

ただし、全ての需要者が新電力を利用できる訳ではありません。
現在は、契約電力が50kw以上ならば、新電力と電力契約を交わすことができます。
この決まりにより、新電力の利用者は、必然的に自治体・企業などの大口需要者となります。

とはいえ一般家庭でも、マンション1棟などの契約の場合は契約電力により、現在でも新電力と契約できる場合があります。 また、一般家庭への電力自由化をめざす電力システム改革が、2016年を目標に、現在進められています。

新電力のメリット

最近では、全国の自治体・企業などで、以下のようなメリットがあるため、新電力への電力切替えをする動きが拡がっています。

<電力不足対策>
東日本大震災以降、電力が不足し、既存の大手電力会社のみに頼ることに不安を感じる人が増え、それとは別の電気の供給先として、新電力が注目されてきています。

<環境対策>
水力・風力・太陽光などの自然エネルギーを活用する新電力会社も増えています。
自治体・企業の中では、地球環境への配慮として、こうした新電力を利用する動きがあります。

<安い>
新電力は、様々な自家発電設備と契約して、電気を安く仕入れています。またその供給も、既存の送電線を借りて行うので、設備投資費用があまりかかりません。

とはいえ電力供給のコストはそれなりにかかるので、新電力も営利企業ですからその分に利潤を乗せて回収せねばなりません。
結果的に、供給電力自体の値段は大手電力会社とさほど変わりません。

では、新電力がどこで値段を割引くかというと、契約電力量に応じて支払う基本料金の部分です。
ここは供給電力とは違うので、新電力も割引くことができます。

ただし、それによって割引のメリットが強く享受できる場合は限られます。
具体的には、「契約電力量のわりに電力の使用料が少ない」場合です。
その場合は、電気料金に占める基本料金の割合が高いので、基本料金が下がれば、電気料金全体がかなり下がったと感じられます。

代表的な例としては、主に平日の昼間に電力消費が集中する中・小規模の事務所ビル、学校、役所などが挙げられます。

新電力導入が特に効果的な施設の事例

新電力の導入事例は、近年増加しています。
導入が効果的だった、主な施設としては以下のものがあります。

<市民会館、総合体育館など>

官公庁で運営されている市民会館 総合体育館のいくつかで、新電力が導入されています。
主に、空調と照明に非常に大きな電力を消費しています。

時々の催事によって左右され、土日の使用量が多く目立ち、また、空調の使用量により、通年で月々の使用量にムラがあります。

契約電力が大きい割には、通年の使用量は少ないので、電力料金の削減が見込まれます。

<小中学校>

小中学校は、単体では非常に少ない電力使用量ですが、長期休暇があるため、電力料金の削減対象となります。
またグラウンドやプールなどは、非常に使用期間が限られているわりには、契約電力は大きいため、メリットが非常に出やすい対象です。

<各種工場>

工場は、非常に大きな電力を消費する施設の一つです。
しかし、稼働時間が長い場合は電力料金の削減対象とはなりにくいです。
とはいえ、「週休二日、一日の稼働時間は、およそ10時間以内で終了、常に稼働している機械設備もあるが、加工する製品によって稼働する機械設備も異なる」という工場で新電力を導入したところ、かなりの電気料金が削減された事例があります。

新電力は、このように時間や季節によって、電力使用料に波がある施設に導入するのが有効です。
電力量の削減の割合は多くの場合、数%(1割未満)ですが、例えば電気料金が数百万、数千万円かかるような大きな施設では、数十万、数百万のレベルで、料金の削減になります。

政策レベルで新電力を導入した地域の事例

最近では、単体の施設・事業所だけでなく、自治体がその対象とする地域について、政策的に新電力を導入する事例が増えています。

それにより、複数の施設に新電力が導入されることになり、その地域の財政に大きなメリットをもたらします。
新電力の普及に向けて、社会的なインパクトも大きいです。

政策的によく考えられ、成功した事例として立川市が挙げられます。
新電力の導入事例の中では「立川モデル」と言われ、よく知られています。

代表的なのが、市が運営する立川競輪場への2010年度からの新電力の導入です。
立川競輪場の電気の購入先については、東電も含めた入札を行い、その結果、一番安い料金を提示したサミットエナジー(本社・中央区)が落札しました。
競輪場は大きな施設で、契約電力が大きいですが、使用期間が限られているため、経費削減効果が大きいです。
電気料金は東電と契約を継続していた場合と比べて、26.5%減の約4600万円となり、初年度から大幅な削減となりました。

経費削減効果を実感した立川市はその後、電気使用パターンの似たグループ(市立小中学校、その他の公共施設、競輪場の3つ)を作り、二酸化炭素排出量などを勘案したうえで入札し、それぞれ異なる新電力と契約を行い、新電力の導入を53施設に拡大しました。市庁舎についても導入が図られています。

こうした動きは、東電福島第1原発事故を機に全国的に拡大しています。

今回は、電力自由化によって登場した新電力について、前半で、新電力とは何か、どんなメリットがあるのかお伝えしました。

後半には、新電力の導入事例として、まず導入されることが多い施設の種類を、次に政策レベルで新電力を導入した地域を紹介しました。

新電力には、経費削減はもちろん、環境への配慮など、既存の大手電力会社に比べた優位性がいくつもあるため、今後ますます普及していくことでしょう。

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